相模支部 ねこまんま堂
先日、古書店開業セミナーの際に、講師をして頂いた先輩のお話を
聞かせていただきました。
その中で「好きなもの(ジャンル)だけを扱うといったことだけでは、
商売は成り立たない。やはり、売れるものと売れないものがある」と
いうようなことを言われていました。

仰るとおりで、実際に売れるものと売れないもの(商売として成り立つか
否かという意味で)があるのは確かです。
その先輩は、日本文学が大好きで、かなりの蔵書をお持ちだそうです。
その話を聞きながら、
はて・・ならば私の「好きなもの」とは、いったい何だろうか?と考えました。
古書店を始められる方々の多くは(リサーチしたわけではないので「たぶん」)、
元々かなりの本好きで、きっと休みの日には神田などの古書店や即売会などに
足繁く通い自分の好きな本を買い集め、蔵書が増え、背を眺めながらほくそ笑む・・・
と、こんなイメージが湧くのです。

しかしながら
実は私にはそのような経歴はなく、「普通に本が好き」という程度なのです。
まぁ、しいて言えば子どもの頃から書棚に「本を並べる」のが好きでしたが。。
読むものも、「文学」というような大げさなものではない、軽めの小説、ミステリーや
ヒューマン系が好みで、専門書系は、その都度仕事で必要になったときだけ。
その程度の本好きが古本屋になったのですから、扱っているジャンルは専門性も
特色もなく雑多なもの。
多くの先輩方の造詣の深いお話を聞くたび、勉強不足の自分を恥じ入ります。

セミナーで講師をしてくださった先輩は、
「ただ、自分の好きなものは少しでもいいから取り扱って欲しい。
捨てないでください。また、市場では、多くの本が手に入ります。
その中では『こんな(良い)本がこんな安く手に入るのか』と、興奮する場面もあり、
それが古本屋の醍醐味でもあるのです。そうやって古本屋を楽しんでください」
とも言われました。

本当にそうだと思いました。
私の場合、時々、仕入れた本の中で惹かれるタイトルがあると手に取ります。
今まで、興味のなかった分野、未知の世界がそこにはあり、興味をそそられ、
「売るのはやめよう!」と私の書棚に納まります。
そうやって、今まで狭い世界の中に閉じこもっていた自分自身の世界が、
少しずつ広がってきました。
これも古本屋の醍醐味だと感じています。
自分で探し出すのではなく、
本の方が、私を選んで飛び込んできてくれるのですから。
その他にも、先輩の話は、現役の古本屋の私にとっても非常に勉強になる内容でした。

今回、私がセミナーで先輩の話を聞くことができたのは、
実は私が広報理事だからです。 (セミナーを企画・主催しております)
組合に新規加入すると、
まず一定期間「事業部員」として市場運営のお手伝いをしていただき、
また、いずれは持ち回りで「理事」や「支部長」など、組合の運営側の役職に就く
ことになります。
今期の理事になることが決まったとき、正直『自分の業務で手一杯なのに
理事の仕事なんて負担だな~面倒だな~』とマイナスのイメージが先行していました。
実際、自分の業務をこなしながら、理事として組合に出勤、仕事をするのは
大変なことです。
けれど、理事となって実感しているのは、私にとってプラスのことの方が
多いということ。
まだまだ新人の域を出ない私が、大先輩のお話を聞く機会が大幅に増えました。
一組合員の時には、中々そういったチャンスもありませんでした。
その会話の中には、有益な情報が多く含まれていて、色々なヒントが隠されて
います。

また、理事の仕事を通じて、業界の全体的な流れや方向性、法律的な情報などを
いち早く捉えることができます。
そして、与えられた仕事をこなす、ということが、これまでやったことのない仕事も
するので自分自身のスキルアップにもつながっていると感じています。

入会説明会などで、「加入後に組合のお役目もあります」とお話すると、
ちょっと引いてしまう方がいらっしゃいますが、特に新人の場合は勉強の場だと思って、
積極的に活動して頂きたいと思います。
本当に多くのことが学べ、自身の業務にプラスになるはずだと、私は思っています。

先日のセミナーに参加していただいた方の感想に
「しかし、やっぱり古本屋は楽しそう。」 とありました。

はいっ!
やっぱり古本屋は楽しいっ!!(本音)
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