川崎支部 ブックサーカス
元住吉の店を自分でやり始めてから1年が過ぎ、思っていたより
さらに店は売れないものだなーと実感する日々を送っています。
私、元々とある古書店でアルバイトとして入り、それからそちらの
社員となり、その後独立し今に行き着くわけですが、アルバイトの
頃の自分はあまりに酷く、周りの先輩たちにかなりの迷惑をかけて
いました。(レジが覚えられない、接客の声が出ない、お客様が
来られると、裏に隠れてしまう等々かなり病んでいました。)
今の自分の店にその時の私が来たら即、首ですが、当時の店主は
何故か引き続いて雇って頂き、、社員にしてもらいました。
社員になりしばらくして。初めて金曜日の市場に行った時は、
振り手の方が<鬼のフドウ>そのもので、恐ろしいところに来て
しまった!との思いは、いまだに忘れられません。
(今の金曜日はそんなことはなく、その時も私が小心な為の幻影と
思われます。)
それでも市場に通い続けるうちに、次第に面白さを見出せるよう
にはなっていきましたが、定期的に市場で品物を売買し、それを
商売として回転させていくのはなかなか難しいなぁと思い、
店主に相談すると、<じゃあ、どうしたらうまく回る?>と
返されました。
わたしがそのまま黙ってしまうと、いくつかのヒントのようなものを
くれましたが、それ以上は自分で考えて。で終わりました。
以後も何か相談、質問をすると、<じゃあ、どうしたら?>
<本当にそれが正しいの?>と常に返されたため、最初はげんなり
しましたが、相談する前にその二つを考えながら話すようになりました。
ただ、私自身が基本的にネガティブなので、延々<じゃあ、どうしたら?>
<本当にそれが正しいの?>のループにはまり、私が黙って終了という
ことが多かったと記憶しています。
それでも割合自由にさせてもらったおかげで、試行錯誤を繰り返す
ことができ<じゃあ、こうしたら>とやってみて、結果を体験させて
もらったのは、良い経験であるとともに、この仕事を続けようという
小さな覚悟のようなものができたのが一番の収穫でした。
まあしかし、翻ると店の現状は厳しく、試行錯誤するのにもお金が
かかるしなぁと思っていると<じゃあ、お金がかからない方法は?>
<すべてやりつくしたの?>との声が聞こえてくるので、もうほんの
少しだけ、力を尽くそうかと思います。
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